経営に正しいブランディングを。わかりやすく解説|ブランド シンキング

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経営に正しいブランディングを。わかりやすく解説

Gunosyらしさが広がれば、意思決定も速くなる。#3

【新生Gunosyのブランド論】第3回

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Gunosyはキュレーションメディアの先駆けとして2013年にアプリをリリース。個人の趣味嗜好に合った記事を独自のアルゴリズムによって配信するというサービスに磨きをかけ、国内最大級のニュースアプリの地位を確立。「ニュースパス」や「LUCRA(ルクラ)」など他のメディアも次々と立ち上げ、累計3,354万ダウンロード(2018.5月末現在)となった。ブロックチェーン事業の加速を狙い、創業者の福島氏は取締役 ファウンダーとなり子会社である株式会社LayerXの代表取締役社長に就任。これまで福島氏と2人で共同代表として牽引してきた竹谷氏が単独で代表取締役CEOとなった。竹谷氏から見えていたGunosyの過去や現在地、そして今後の展開についてたっぷりと話を聴いた。

 

聞き手・文:BRAND THINKIKNG編集部 撮影:落合陽城

 

ユーザーにとってはどうなの?を浸透させることが役割。

——日々のデータで会社全体で重視している部分はあるんでしょうか。

とれるデータはすべてとるというのが私たちのやり方です。すべてログをとっています。ダウンロード数、アクセス数、ユニークユーザー、記事を読んでいる時間….とれるものすべてです。その中から人工知能によって傾向のあるものをみつけてくるんです。そうすると面白いですよ。意外な関係性がそこからわかってくるものがたくさんあります。例えば、スマホをどれくらいの速度でスクロールしているか等です。そんなことでも男女別、年齢がわかったりするんです。アンケートをとればわかることでもあるんです。でもニュースを読みたいのに、わざわざ細かいアンケートに答えたくないじゃないですか。しかもそれがサービスを利用する前だったりすると、途中で辞めたくなってしまったりしますよね。だから常にユーザーの感覚を自分に問いながらつくっていることが大事だと考えています。「それってユーザーにとってどうなの?」と。新しいアイデアが出てくるとそればかり質問します。最近は、私がそう聞くことがわかっているので、各部門の責任者がメンバーに対してその質問をしてくれています。そうなると現場のエンジニアも必然的にそれを考える。この文化を浸透させることこそ、私の役割そのものだと思っています。

 

Gunosyらしい意思決定をできる人を増やしたい。

——高速でPDCAを回し、自分たちを変化させることができるのがGunosyの強みですね。

例えどんなに優れた感覚をもつ人がいたとしても、間違わないということはない。人間だからみんな絶対に間違える。思いつきでつくってはいけないんだと思います。それがたまたま当たればいいけれど、当たらない可能性のほうが圧倒的に高いはずです。数字でできるところまで分析することで、当たる確率を限りなく上げられると思うんです。「ユーザーの視点で」と言うと、ときにネガティブチェックみたいな感じになるときもあるんです。私も嫌な姑役をあえてやらないといけないときもあります(笑)。でもGunosyのこういう文化が浸透していけば、Gunosyらしい意思決定ができる人が増えていきます。これからさらに成長し、さまざまなメディアや新規事業を立ち上げていこうというときに、細かいところまでいつまでも特定の人がチェックしていくのは効率が悪い。信じて任せられる人を育てていくには、同じ判断ができる人を、社内でたくさん増やしていく必要があると思っています。文化を共有できれば、私たちの意志が広がります。そうなれば勝手に事業も増えていくだろうと考えています。

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精度の高いアイデアを生む「しくみ」づくりが仕事。

——今後の展開について話せる範囲で教えてください。

今回CEOになったので、表に出ていく覚悟はできていますが(笑)、もともと私は裏方で頑張るのが合っているタイプ。ユーザーのため、株価が上がるように、社員が気持ちよく働けるように等、そういうものには必ずコミットするし、成長をお約束できると思っています。社員の場合はその家族も含めて、みんながWinになるバランスを保つことが私の役割で、1つでもなにか物足りないといいバランスが崩れちゃうと思います。その高いバランスこそ、会社が成長していく秘訣だと考えています。幸い、優秀で個性的な社員がたくさんいます。私が事業のアイデアを考えなくても、いろんなアイデアが勝手に出てくるのがGunosyの大きな強み。だとすれば、文化が共有され、精度の高い提案が上がってくるようにすることが私の役割の1つ。それをちゃんと整えていけばいいと思っています。そのためには、社員が楽しく働ける場をどうマネジメントするかですよね。楽しくなかったら、アイデアも出てきませんし、出そうとも思わないですから。私はあくまでも自分が主役ではなく、たくさんのメンバーがヒーローとして活躍していく組織をつくれればと思っています。

(おわり)

 

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竹谷祐哉
株式会社Gunosy 代表取締役 最高経営責任者(CEO)
早稲田大学創造理工学部経営システム工学科卒業。グリー株式会社を経てGunosyに参画。2013年8月取締役最高執行責任者、2016年8月代表取締役最高執行責任者を経て、2018年8月より代表取締役最高経営責任者に就任。

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