経営に正しいブランディングを。わかりやすく解説|ブランド シンキング

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経営に正しいブランディングを。わかりやすく解説

天才たちがつくる技術を信じていた。#1

【新生Gunosyのブランド論】第1回

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Gunosyはキュレーションメディアの先駆けとして2013年にアプリをリリース。個人の趣味嗜好に合った記事を独自のアルゴリズムによって配信するというサービスに磨きをかけ、国内最大級のニュースアプリの地位を確立。「ニュースパス」や「LUCRA(ルクラ)」など他のメディアも次々と立ち上げ、累計3,354万ダウンロード(2018.5月末現在)となった。ブロックチェーン事業の加速を狙い、創業者の福島氏は取締役 ファウンダーとなり子会社である株式会社LayerXの代表取締役社長に就任。これまで福島氏と2人で共同代表として牽引してきた竹谷氏が単独で代表取締役CEOとなった。竹谷氏から見えていたGunosyの過去や現在地、そして今後の展開についてたっぷりと話を聴いた。

 

聞き手・文:BRAND THINKIKNG編集部 撮影:落合陽城

 

強烈な個性をどうまとめるか。

——これまで長らく福島氏とは共同代表という形で事業を推進してきました。学生時代からの友人だったんですか?

福島もそうですが初期メンバーの多くは東大生で、私は大学も異なり、、もともと知り合いではありませんでした。知り合ったのは本当に偶然でした。当社の取締役であり、筆頭株主の木村と私が前職のグリー株式会社にいた頃に知り合う機会があり、面白い人間がいるから会ってみなよ、と言われたのがきっかけです。2012年にGunosyを法人化する前に、創業者の福島、関、吉田の3名が1年位趣味で「グノシー」をつくっていたんですね。当然私はそんなことは知りませんでした。グリーで働いていたちょうどその頃、私はサンフランシスコで仕事をしていました。有望な会社を見極め、買収するという仕事でした。海外で働くというと、カッコいいイメージがあるかもしれませんがなんでもやりましたし、結構泥臭く働いていました。当時はまだ23歳。とにかく目の前のことに必死だったことを覚えています。Gunosyを設立した当初は福島含めエンジニアが4人の集団でした。その4人は私から見ればスター軍団(笑)。ピカイチの技術力を持っていると思いました。彼らを見たときに、この頭脳や強烈な個性を活かすことができればすごいことになるかもしれない。そしてそれは自分にできるかもしれない、と。そこに面白みを感じました。

 

経営のメンター、木村氏の存在。

——創業2年半で上場というのは異例のスピードですよね。

その原動力になってくれたのが筆頭株主で取締役の木村です。私たちにとってはまさにメンターのような存在。2013年-2014年の1年間は福島と共同代表も務めていました。まだGunosyのサービスが、今から見ればよちよち歩きだった頃からGunosyの可能性を誰よりも感じていてくれていました。だから開発や広告宣伝に必要な資金調達を積極的に行っていました。私たちは今以上に若かったですし、福島は開発に注力し、私は個性の強いメンバーをどうまとめ、そしてサービスとして定着させていくか、ということに注力していました。とかく目の前のことに集中してしまいがちな頃に、木村が常に視座を上げてくれましたね。木村の背中を見ながら「ああ、経営ってこうやるんだな」と学びました。だから木村が代表から外れ、「ほぼ教えたし、任せたぞ」と言われたときは「こんなこと任されちゃうのか」というのが当時の正直な気持ちでした(笑)。でも、福島をはじめ、技術をとことん信じている人たちがつくるGunosyを私自身も信じていましたし、まとめるのは簡単ではありませんでしたが、この天才たちの頭脳からうまれるアイデアをかたちにできれば、世界を変えるサービスになると確信していました。

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エゴでつくらない。ユーザーの評価で決めるという企業文化。

——Gunosyが他と大きく違うところを、竹谷さんはどう見ていますか。

Gunosyの大きな特徴は、メディアだけど、編集長がいないということです。通常、メディアには編集長がいて、彼が時代の空気を感じながら、その時の特集として出す記事を決める。今のWebメディアでさえ、そういうものが多いと思います。しかしGunosyは当初から編集長という人を置いていません。人工知能AIを極限まで進化させることにより、一人ひとりに最適な、その人だけの「メディア」をつくろうというのが根底にあります。だから当初のキャッチフレーズなんて「人工知能があなたにニュースをお届けします」でしたからね(笑)。エンジニアの頭の中的にはたしかにそういうことなのですが、ユーザーからするとそれは関係のないことで。人工知能が届けようが届けまいが、そのメディアが面白いことが重要なんだと思います。だから技術重視になってしまってもいけないわけです。そうではなく、面白いか、面白くないかをユーザーに決めてもらう。そしてそれは日々データを追いかけていればわかります。創業当時から、そのデータをもとに毎日PDCAサイクルを高速で回し、進化、改善させてきました。Gunosyは数字やファクトベースで意思決定を行う会社です。徹底してデータを重視し、ユーザーに評価してもらう。これはサービスとしても、Gunosyという会社としても、強い企業文化として根付いています。

 

第2回へ続く

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竹谷祐哉
株式会社Gunosy 代表取締役 最高経営責任者(CEO)
早稲田大学創造理工学部経営システム工学科卒業。グリー株式会社を経てGunosyに参画。2013年8月取締役最高執行責任者、2016年8月代表取締役最高執行責任者を経て、2018年8月より代表取締役最高経営責任者に就任。

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