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【レポート】日本ブランド経営学会『JAPAN BRAND MANAGEMENT EXPO2024』

2024年4月13日、日本ブランド経営学会5周年記念「JAPAN BRAND MANAGEMENT EXPO2024」が愛知東邦大学とオンラインにて開催されました。

日本ブランド経営学会は、ブランディングの視点から日本の企業経営を変えていくという志をもった学びの集まりです。なかでも活動を特徴づけるサロン活動には、「ブランディング」という共通の関心事をテーマに社会人が集まり、創発的な取り組みのきっかけの場にもなっています。

まず最初、日本ブランド経営学会会長の上條憲二氏より基調講演が行われました。日本ブランド経営学会設立の背景、これまでの歩みなどを話しました。最近では「ブランドのリブランディング」をテーマに学会を方向づけ。また自身が手掛けた愛知東邦大学のリブランディングを事例に、ブランドについてわかりやすく解説しました。組織内の人たちがブランドを理解し、ブランドに沿って行動することで、本当のブランドができ上がっていくことの重要性を伝えました。

次の登壇は、春日井製菓おかしな実験室の高木宏幸氏。1928年創業、売上は182億円。500名ほどの従業員の企業です。高木氏はブランドとは、「識別化活動の積み重ね」と定義します。これまで4社渡り歩いてきた高木氏は「『おいしくて、安心して多くの人に愛され続けるお菓子作り』という経営理念をすぐに言える社員たちに驚いた」と言います。理念がしっかり理解されているのに、売上は減少傾向。だとすれば、「愛され続ける」というファンづくりを怠ってきたのではないか。それがおかしな実験室設立のきっかけになりました。

おかしな実験室ではイノベーションを「なのに」であるとしています。「介護施設なのに多世代でワイワイ」など「おかしなのに◯◯」ということをつくれば、イノベーションが起きると思い、「スナックかすがい」というビールを飲みながらのトークイベントを開催。1000円で自社商品である「グリーン豆」の食べ放題。これまで31回開催しています。

またこれまで完全に輸入に頼っていた「グリーン豆」の原料の豆。自社で畑をつくり、完全無農薬で豆をつくりはじめました。午前中は畑に出て、午後は農家のみなさんとの交流を楽しむなど、ユーザーを巻き込んで豆づくりを行っています。さまざまなコミュニティをつくり、着実に「愛され続ける」ファンづくりを行っています。

ここからは1934年創業、坂金製菓 専務取締役 葛島幹也氏も登壇し、高木氏と対談という形で進めていきました。ファシリテーターはクオーターバック代表取締役山田裕一氏。まずは葛島氏のが会社紹介を行い、それぞれの企業のリアルな課題、それらの乗り越え方について現在進行中の取り組みも含めて、ディスカッションが行われました。

3番目の登壇は、伊東株式会社代表・伊東優氏。実家でつくられていた敷島9代目。日本酒、敷嶋を蔵ごと復活させました。1788年創業の伝統的な酒蔵が、伊東氏が高校1年の頃(2000年)に廃業。14年以上経過した敷嶋を飲んだとき、「こんなうまい酒をなくしてはならない」と決意します。蔵などがまだ残り、これを活かしたいと思います。そして地元・亀崎の地域活性にもなればと思いました。

しかし酒造りも知らなければ、酒造免許も持っていません。伊東氏は大手通信系企業に勤めながら、有給休暇を利用して酒蔵に通い、技術とスキルを習得していきます。2018年には会社を退職し、地元の酒蔵で働きながら、引き続き酒蔵探しをします。一方、地元の酒蔵に醸造委託しながら、2020年敷嶋はブランドとして復活を果たします。2021年には酒蔵のM&Aが成立。土地も徐々に買い戻し、2022年には自前の酒蔵で「敷嶋」が復活を果たします。全国で70店舗の特約店があります。今後は「酒蔵と地域をもっと近く」というテーマで、子どもと親が触れ合えるイベントなども積極的に開催しています。

その後、むすび株式会社 代表取締役 深澤了氏が登壇。実家がもともと酒蔵で、2017年に120年ぶりに「本菱」をブランドとして復活させました。ファシリテーターは芝哲也氏(武蔵野大学教授・アートディレクター)です。流通開拓の難しさや地域との関わりについて議論がされました。

4番目の登壇は、株式株式カナメヤ代表取締役CEO松井健斗氏。松井氏は会場である愛知東邦大学の卒業生でもあります。卒業後は大手人材系企業に入社。退職後、カナメヤを創業します。行政、学生、企業と三位一体で地域を盛り上げるさまざまな企画、イベントを仕掛けています。「こういう取り組みを実際にやっている組織は少ない。誰かがやらなければならない。だからこそやる」、「思いを正解にする」と決意を込めます。このあとは学生とともに産学連携についての課題や今後の方向性についての議論がされました。

イベントは16:30で終了。登壇の間には各テーブルでのディスカッションもあり、ブランドについての学びだけではなく、交流も深まる1日となりました。

5月のサロンは5/16(木)19:30〜@オンラインとなります。

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JAPAN BRAND MANAGEMENT EXPO2024

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2024/02/17

愛知東邦大学/オンライン (名古屋/オンライン)

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