経営に正しいブランディングを。わかりやすく解説|ブランド シンキング

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経営に正しいブランディングを。わかりやすく解説

2017.11.15

理念は社長がつくるべきか、社員と一緒につくるべきか。

社長がつくれば速い。メンバーを絡ませたほうが長い目で本質的。

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つくるところから、浸透もはじまっている。

理念の重要性は、BRAND THINKINGでも再三指摘してきました。それはブランド構築がまさに「理念の浸透」であると言えるからです。この点での論理や整理は他の記事などを参照していただくとして、今日は理念は誰が作るべきか、という話を書いていきたいと思います。

理念とは、事業の目的。「なぜその事業をやるか」ということです。例えば、「カニ缶」をつくる会社であれば、「なぜ私たちはそれをやるのか」を明確に示したものになります。そのとき当然、社長にその答えがあることが求められます。創業社長であればなおさらでしょう。「自分はなぜやるのか」を徹底的に掘り下げて考えるべきです。

1人での起業であれば、1人で考えなくてはなりません。現実は走りながら考えることになるでしょう。同様に、2人で起業するなら、3人で起業するなら、そのメンバー全員で理念について定める必要性があります。創業メンバーが一枚岩でないことは、スタートアップ時は致命的です。人が増えていくにつて、急速に成長していくスタートアップであればなおさら、ブレは一気に大きくなっていきます。

理念変更の需要は、代替わりの時にも多い傾向にあります。先代までの理念を変更し、自分たちなりの腹落ちした理念で会社を束ねていきたい、という背景です。この場合も、社長の心のなかに理念のおぼろげながらの姿があれば理想的です。もちろん明確にある方もいます。しかし、ある程度社員数のいる企業で社長のみで決めてしまうのはおすすめしていません。私たちのような外部のパートナーと社長だけでつくりあげていくこともありますが、なるべく社員を絡ませて、ワークショップのような形で理念をつくりあげていくことをおすすめしています。それは、理念という会社の背骨を自分たちの手で作り上げていく重要性を、次を担う社員のみなさんに体感してほしいのと、理念浸透を考えてのことです。いきなり社長や経営層から降ってきた新しい理念よりも、社員を絡ませてつくりあげたほうが、メンバーになった社員がインフルエンサーとなって他の社員への伝道師役となるからです。

経営者は、ある程度自分の中で答えが決まっていても、あえて社員を絡ませる方式を選ぶ人も多くいます。それは自分たちで決めた実感を持ってほしいから。上記のような説明にとても大きく頷いてくれます。そして、巡り巡って、今と変わらない理念だったとしても、このプロセスにこそ、意味があると言った経営者もいました。

理念は、つくることが目的なのではなく、達成することが重要です。だとすれば、つくることがすでに、浸透活動のはじまりなのです。

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むすび株式会社 代表取締役
深澤 了

ブランディング・ディレクター/クリエイティブ・ディレクター、BRAND THINKING編集長。日本ブランド経営学会副会長。2002年早稲田大学商学部卒業後、山梨日日新聞社・山梨放送グループ入社。広告代理店アドブレーン社制作局配属。CMプランナー/コピーライターとしてテレビ・ラジオのCM制作を年間数百本行う。2006年パラドックス・クリエイティブ(現パラドックス)へ転職。企業、商品、採用領域のブランドの基礎固めから、VI、ネーミング、スローガン開発や広告制作まで一気通貫して行う。採用領域だけでこれまで1000社以上に関わる。2015年早稲田大学ビジネススクール修了(MBA)。同年むすび設立。地域ブランディングプロジェクト「まちいく事業」を立ち上げ、山梨県富士川町で開発した「甲州富士川・本菱・純米大吟醸」はロンドン酒チャレンジ2018銀賞、2019金賞、フランスKura Master2019金賞。埼玉県戸田市では「埼玉戸田・かけはし・純米吟醸微発泡」と、立て続けに日本酒をプロデュース。山梨県都留市ではネクタイブランド「TSURUIKI」の立ち上げも行う。クリエイティブ・ディレクター、コピーライターとしてFCC賞、日本BtoB広告賞、山梨広告賞など。雑誌掲載、執筆多数。著書は「無名✕中小企業でもほしい人材を獲得できる採用ブランディング」(幻冬舎)、「知名度が低くても"光る人材"が集まる採用ブランディング完全版」(WAVE出版)。

むすび株式会社

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