ブランドは、現場の行動でつくられていく。
ブランド・マネジメントとは何なのでしょうか。ブランドが企業の「現場」で繰り広げられるコミュニケーションでつくられると定義すれば、経営の「理念・戦略・オペレーション」で言うところの三角形の「オペレーション」に属することかと思います。
一般的にブランド・マネジメントというと、これまでは、プロモーション時における、媒体選定やクリエイティブに関して、どのように最適化するか、という話がほとんどでした。しかし、よくよく考えれば、それは、以前にもBRAND THINKINGで紹介したブランド構築の公式における、
B=(b×c)v
B:BRAND BUILDING(ブランド構築)
b:behavior(従業員の行動)
c:communication(コミュニケーション)
のc部分のことに言及しているに過ぎません。つまり、bの部分を無視している状態です。
ブランド論を形作ったアーカーは、「従業員がいかにブランドを演じる存在になれるか」という重要性を説いています。ブランド・マネジメントは誰がするのか、といえば言うまでもなく社員。社員自身がそのブランドに関して腹落ちしていないと、ブランド構築を生み出す行動は生まれません。
例えば、ブランドのビジョンやミッション自体から一緒につくりあげたメンバーなら、それを理解しているので、現場での行動にも工夫や主体性が現れるでしょう。しかし、そもそものビジョンやミッションを知らないメンバーには、まずそれを理解することが求められますし、理念の浸透力が、現場の行動の精度を上げていきます。これはBtoCのサービス業であれば、実感できる方も多いのではないかと思います。
これをしてくれ、と近視眼的なオーダーをするのではなく、従業員にビジョン、ミッションまで共有し、その上で、具体的なオーダー(期待)を話すことで、こんなにも「ブランド」を体現した行動ができるものか、と実感することができるでしょう。それを明確に行い、成功しているのは「スターバックス」です。正社員やアルバイトなど関係なく、80時間もの教育プログラムを施しているのは、有名な話です。
結局、ブランドは消費者の頭の中でつくられていきます。ということは、消費者が商品を買ったり、使用したりする場面で、できていきます。これを企業側、つまりブランドマネジメントの観点で言えば、各部署で従業員自身が何を発信するか、と密接に関係することです。
これまでブランド論は、コミュニケーションの方向ばかり発達してきました。しかし、突き詰めて考えると、ブランド・マネジメントというのは、単に事業や商品の話の広告やプロモーションの話ではなく、人材・組織や経営そのものの話に結局つながっていくのです。
文:BRAND THINKING編集部
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