経営に正しいブランディングを。わかりやすく解説|ブランド シンキング

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経営に正しいブランディングを。わかりやすく解説

旅するように、日本酒を味わって欲しい。#1

【SAKE storyのブランド論】第1回

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2016年Mr.SAKEコンテストグランプリ。飲食業界の異端児とも言われ、常に新しいことを考え、即実行する橋野氏。類まれな行動力により酒蔵さんと共同開発した「酒パーク(リング)」などで日本酒業界に新風を吹き込んできました。今年の8月に独立。「旅するように日本酒を」をコンセプトにした「SAKE story」を五反田にオープン。定期的に地域を限定して、その土地だけの日本酒を出すお店だ。代表の橋野元樹氏に「SAKE story」や飲食業界への思い、今後の展望をお話いただきました。

 

聴き手・文:BRAND THINKIKNG編集部 撮影:落合陽城

 

自分の夢と、ご縁が重なった。

———–五反田で、「SAKE story」を始めたきっかけはなんですか??

親が開いた店をやりながら、5年前から自分のお店をやりたいと思っていたのですが、なかなかお店を出す場所も見つからないでいました。様々なお店を見ていたのですが、良く飲みに伺わせて頂いていた五反田の日本酒のお店が閉店するとお聞きし挨拶に伺ったんです。すると、閉めた後の借り手はまだ決まっておらずそのまま出ると言う事で、「橋野君やってみる? 全く知らない方に渡って全然違うお店になってしまうのが残念で。夢の結晶だったから、、、」と言うお言葉を頂きました。広さが理想的だったのと、条件も良かったので、すぐにこの場所でお店を出すことを決めました。

 

今、東京で一番熱いエリア。

———–素敵な想いをもって始められたお店ですが、五反田への思いもあったのですか?

物件探しをしていた時に、その土地に知り合いのお店があると躊躇していたんですが、今回は何件も知り合いのお店がある五反田。かなり迷いましたが、五反田駅と言う乗降客数の多さと、羽田や品川からのアクセスの良さ、また、先輩のお店を引き受けると言う事が最終的に気持ちの後押しをしてくれました。乗降客数の多い点は、1店舗20席弱のお店ができてもお客様の取り合いに直接は結び付かないだろうなと思いました。また、品川や羽田からアクセスが良い点は、全国にいらっしゃる蔵元さんや知り合いの方が東京にお越しになった際にお越しになりやすいのではと。実家のお店は新宿から私鉄で一駅なのですが、地方からいらした方には山手線から乗り換えると言う行動は心理的ハードルがある気がしていましたが、これはドンピシャだったと思います。もう既に沢山の蔵元さんや地方の方々にお越し頂いていますが、皆様その点は喜んでくださっています。また、友人のお店がある。と言う点でもしかしてできたら嬉しいなと、思っていたのが一緒にイベントやフェア等を行う事で、五反田と言う街に日本酒を飲みに来る人を増やせないかなと思っていた事でした。こちらは、実際に五反田の先輩のお店数件からすぐ参加要請があり、日本酒の日の飲み歩きイベントの仲間に入れて下さいました。オープン後直ぐに入れて頂き、お店を知って頂いたのはとても幸運だったと思います。また、物件を契約してから分かった事ですが、今五反田は個人店や勢いのある小規模チェーン店が物件を取り合うくらい人気の場所だったらしく驚きました。

 

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日本酒をゆったり愉しめる落ち着いた店内。その時のテーマ地に合わせた店内の和小物も楽しめます。

 

コンセプトは、「旅するように日本酒を」

———–お店のコンセプトに橋野さんの想いが詰まっているんですね。

もともとお酒が好きなのもあったのと、実家のお店を改革した時に和酒を教えてくれる先輩も上司もいなかったので日本酒は独学です。以前は1年で一回、「dancyu」が日本酒特集をやっていたぐらいでしたが、今はもう毎月いろんな媒体で出ているのが隔世の感があります。業界的には、日本酒ブームと言われていますが、実際は普段から日本酒を飲んでいる方は全体の割合から見たらまだまだ少ないと思っていますので、ブームと言う言葉に気を緩めず、ブームから定着へと業界人それぞれが考える事が必要な時期なのではないか、とは仲間や蔵元さんとの話に出ますね。日本酒(和酒)は仕入れがとても複雑&難しく、例えば有名銘柄だけ欲しいと言っても難しいですし、一升瓶を何回にも分けて提供するわけですから管理も他のお酒と比べるとなかなか大変です。キチンとした酒販店さん(できればたまに通える程度の距離の)を見つけ、その酒販店さんに色々と教わりながら勉強していくのが良いと思いますよ。まだまだ沢山いらっしゃる日本酒ビギナーの方に向けて、堅苦しくなく日本酒の楽しさをもっといろんな人たちに広めたいと思っています。

日本酒を通して日本各地に想いを馳せて頂けたら嬉しいと思い、お店は「旅する様に日本酒を」をコンセプトに、3ヶ月ごとに地域を変えて現地の日本酒やクラフトビールを用意。その日本酒や蔵元、土地のお話しも交えながら提供しています。酒器はオリジナルの鳥獣戯画のもの、その地域に実際に行って見つけたもの等色々とご用意してます。20代はライター等もしていた事で、全国を飛び回り各地の食やお酒に出会う喜びを皆さんにもっと感じて欲しい事と、蔵元さんと話していて思うのはご自分のお酒を知って欲しいと言うのは勿論ですが、皆さんの地元をもっと知って欲しいとご活動されている方が多いのも見ていて、コンセプトはこの形に致しました。また、当店でその地域に興味を持って実際にその場所に行って頂けたら理想だなぁと思っていたら、既に何組者お客様から福島に行きお勧めのスポットを訪れて来たよ。と言うご報告を受けていまして嬉しい驚きです。僕自身が東京の出身なので、地元を愛する方々の姿勢に憧れがあるのかも知れません。

理想は近江商人の言葉‘三方良し‘です。対象地域の方々、お客様、そしてお店がリンクする事でお互いに楽しめるお店にしたいと思っています

 

 

(つづく)

 

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SAKE story 代表 橋野元樹

2016年 Mr.Sakeコンテストグランプリ優勝。 利き酒師でもある橋野氏。 日本酒をより身近に楽しく、日本酒を通して蔵元さんやその地方、日本文化を伝えていくことに奮闘中。三角形の日本酒チャートの開発や、炭酸注入の「酒パーク(リング)」「チェイ白湯普及の会」「酒蓋マグネット」等々を考案する発明家。若い頃は世界中を旅していた。趣味はグルメ、読書(特に時代小説と漫画)。将来はマンションで猫と一緒に住みたいと思っているお茶目な方。

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