本質的な採用ブランディングとは何か?

採用ブランディングについて調べると、さまざまな定義が出てきます。「求職者に向けて自社の魅力を発信すること」と説明されることもあれば、「企業の採用力を高めるためのブランド戦略」と言われることもあります。さらに、「自社に合う人材から選ばれる状態を作ること」「社員や求職者に企業の価値観を伝えること」といった説明もあります。
では、なぜ採用ブランディングの定義はいくつもあるのでしょうか。それは、採用ブランディングが単なる採用手法ではなく、採用、広報、ブランディング、組織づくり、経営の考え方まで含む概念だからです。
この記事では、採用ブランディングの定義が複数ある理由と、企業が採用ブランディングを考えるときに押さえるべき本質を解説します。
採用ブランディングについては、採用ブランディングの生みの親、『むすび株式会社』深澤 了 氏のnoteも参考にしてください。
>そもそも「採用ブランディング」とは何か。理論をつくった本人が、定義から話す。
採用ブランディングの定義がいくつもある理由
採用ブランディングの定義がいくつもあるのは、採用ブランディングが一つの業務だけで完結しないからです。
採用担当者から見れば、採用ブランディングは応募数や応募者の質を高めるための取り組みに見えます。広報担当者から見れば、企業の魅力を社外に発信する活動に見えます。経営者から見れば、会社の価値観や方向性を伝え、組織に合う人材を集める経営戦略の一部に見えます。どの見方も間違いではありません。
採用ブランディングは、採用活動だけでなく、企業の見え方そのものに関わります。求人原稿、採用サイト、社員インタビュー、SNS、会社説明会、面接、内定後のフォローなど、求職者とのあらゆる接点に関係します。そのため、どの接点から採用ブランディングを見るかによって、定義の言い方が変わります。
採用ブランディングは採用活動だけの話ではない
採用ブランディングの定義が広がる理由は、採用活動だけでは完結しないからです。
採用ページを見た求職者は、会社のホームページやSNS、代表の発信、口コミ、社員の雰囲気なども見ています。面接での対応や応募後の連絡、会社説明の内容も、会社の印象を作ります。つまり、採用ブランディングは採用媒体の中だけで完結しません。
企業として何を大切にしているのか。社員がどのように働いているのか。顧客にどのような価値を届けているのか。こうした企業活動全体が、求職者から見たブランドになります。採用ブランディングを採用担当者だけの仕事にしてしまうと、発信と実態がズレやすくなります。人事、広報、経営者、現場社員が同じ方向を向き、会社の価値を一貫して伝えることが必要です。
定義よりも大切なのは「何を目的にするか」
企業が取り組むうえで大切なのは、どの定義を使うかよりも、何を目的にするかです。
応募数を増やしたいのか。自社に合う人材から選ばれたいのか。採用ミスマッチを減らしたいのか。社員の価値観と採用発信をつなげたいのか。目的によって、採用ブランディングで取り組む内容は変わります。
目的が曖昧なまま採用ブランディングを始めると、採用サイトのリニューアルやSNS発信だけで終わってしまいます。
採用ブランディングで本当に見るべきなのは、求職者にどのような認識を持ってもらいたいのかです。そして、その認識が入社後の体験と一致しているかどうかです。
採用ブランディングの本質は共鳴を生むこと
採用ブランディングの本質は、求職者に企業の価値観や働く意味を伝え、共鳴してもらうことです。
共鳴とは、企業の考え方や目指す方向に、求職者の気持ちが重なる状態です。ただ条件が良いから応募するのではなく、「この会社の考え方が好き」「この人たちと働きたい」「この事業に関わりたい」と感じてもらうことです。
採用が難しくなる時代において、条件だけで人を集める採用には限界があります。特に中小企業は、大手と同じ条件で勝負するのではなく、自社ならではの価値や考え方を伝える必要があります。
採用ブランディングは、企業を大きく見せるためのものではありません。自社の価値に共鳴してくれる人と出会うためのものです。この視点を持つと、定義が複数あっても迷いにくくなります。採用ブランディングとは、自社に合う人から選ばれ、入社後も納得して働ける関係を作るための取り組みです。
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