【レポート】日本ブランド経営学会Salon #46 今、あらためて「ブランディング」を考える『そもそも、「ブランド経営」って何だ?』
2023年1月19日、オンラインにて日本ブランド経営学会サロン第46回が開催されました。
日本ブランド経営学会は、ブランディングの視点から日本の企業経営を変えていくという志をもった学びの集まりです。なかでも活動を特徴づけるサロン活動には、「ブランディング」という共通の関心事をテーマに社会人が集まり、創発的な取り組みのきっかけの場にもなっています。
今日の最初の登壇は、愛知東邦大学入試広報課課長の三輪哲也氏。日本ブランド経営学会の理事でもあります。「パーソナルブランディングと組織の関係性〜論文の裏側にあったこと」という題名でライトニングトークがはじまりました。昨年、同テーマで論文を上梓した三輪氏ですが、その背景で起こった話をしてくださいました。
論文のテーマの背景にあったのは「自分らしさが明確になると、会社での働きっぷりはどうなの？」という三輪氏の疑問でした。実際に三輪氏が携わった研修において、その研修の後にどんな変化があったのか。デプスインタビューで浮かび上がったことを論文に書いていきました。仕事に関する意識に大きく変化があり、行動にも少し変化があったとのことです。
三輪氏は自分らしさの深堀りこそ「パーソナルブランディング」であるという定義。自分らしさとは「価値観」、「能力」、「興味」で構成されているとしており、その源流はその人の原体験。そして志（Will）は「価値観」、「能力」、「興味」からできていくと解説します。
そもそも、三輪氏が「自分らしさが明確になると、会社での働きっぷりはどうなの？」という疑問が湧いたのは、組織のビジョン、ミッション、バリューを組み立てることはあるが、個人の志が組織に共感できないと、組織は成長できないのでは？と思ったことから始まったそうです。
今後の三輪氏のテーマは個人と組織の帰属意識について。ここに関して、踏み込んだ活動や研究をしていきたいと決意を示しました。
本日のメイン登壇は、日本ブランド経営学会会長（愛知東邦大学教授）の上條憲二氏。本日のテーマは今、あらためて「ブランディング」を考える『そもそも、「ブランド経営」って何だ?』です。
日本ブランド経営学会の始まりはなんだったのか。そんなきっかけの話から始まりました。「ブランドをマーケティングの世界で論じるのではなく、ブランディングは経営をそのもの。ブランド経営を行う企業を増やそう」。そんな想いでつくられた学会です。
「ブランドをマネジメントするのではなく、ブランドでマネジメントする」という考えを土台に、日本ブランド経営宣言を上梓。その内容について改めて解説しました。
また、ブランドができることの組織的な効果（差別化や採用）だけでなく、健康にも効果がある、という最新の研究結果も紹介。
「ブランドは機能と情緒から生まれる」と説明。「目に見えないものに価値がある」と上條氏は言います。だからこそ「ブランドが経営資産である」という今日のブランド論を生み出したデービッド・アーカー氏の言葉を引用します。
その後、日本ブランド経営学会の設立に関わったメンバーや初期メンバー、理事などを中心に、日本ブランド経営学会でやりたいことを熱く発表し、終わりました。このあとはブレイクアウトルームにわかれ、熱い議論が交わされました。
次回のサロンは2月。2/16（木）19:30〜となります。
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