経営に正しいブランディングを。わかりやすく解説|ブランド シンキング

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経営に正しいブランディングを。わかりやすく解説

2017.05.10

ビジョンが決まったら、すぐに走り出せる準備ができているか。

【効果が出なければブランド構築じゃない。第1回】

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「ブランドをつくろう!」と思った時に、何から始めればいいのか悩む経営者は多い。おそらく、外部のさまざまなパートナーを検討するだろう。そこでブランディングのプロは何を考え、どのようなところに留意してブランドづくりを行っているのか。独自のビジネスモデルを持ち、成長意欲の高い企業群がクライアントに多い、株式会社パラドックスの執行役員ブランディング・プロデューサーで経営管理修士(MBA)、TCC会員でもある鈴木祐介氏にその極意を聴いた。

 

そもそもなぜ「ブランディング」なのか。

——まず最初に企業にヒアリングすると思いますが、何に気をつけてやっていきますか。

「ブランディングしたいんです」とお話を頂いた時に、まずは丁寧に「そもそもなぜブランディングをしたいと思ったんですか?」とお聞きします。最終的に何を期待されているのか、具体的に聞いていくと、クライアント様の期待値がだんだんとわかってきます。実はロゴだけつくりたいのかもしれないし、パッケージかもしれない。単にHPだけかもしれません。でもそれは確かにブランディングの一部分ではあるけど、全体ではありません。そんな些細なニュアンスまで理解したいと考えています。なぜなら、そうすることで経営者が具体的に何に悩んでいるのか原因がわかる場合が多いからです。ブランディングは、いい経営そのもの。その原因の根本がどこにあるのかはとても重要です。経営者の熱い志=理念のもとに、戦略があり、現場のコミュニケーションがありますからね。だとしたら、どんな志なのかを解き明かすことや理解していくことは、その後のブランド構築に大きな影響を与えていきます。

 

理念をつくっている間も、企業は動いている。

——ブランドをつくるというと、すぐにコミュニケーションの課題を解決しようとしがちですが、そうではなく内側からというところにブランド構築の重要性が隠れている気がします。

先日まさにとあるクライアント様のヒアリングでした。理念をもう一度構築し直そう、というのがプロジェクトのテーマなのですが、私の場合、いわゆる経営を構成する要素、例えば戦略、サービス、人材などがあると思うんですが、その要素にわけて、課題を教えてほしいという聞き方をします。ブランドの問題経営全般に渡る問題です。例えば、細かく課題をお聞きする中で、社員の中でもどんな人に浸透すればいいのか、誰がまず使いこなせたらスピード感を持って浸透するのかなど、おぼろげながらわかってきます。それを把握することで、企業内のプロジェクトメンバーの人選も変わります。また、ブランドのビジョン(=アイデンティティ)をつくるには、どうしても半年間くらいかかります。でもその間にも企業はどんどん動いていくわけです。例えば、理念ができあがって、さあ次なにやろう、では遅いかもしれない。理念をつくる前から、その後どんなふうに経営を進めていくべきか、3年分くらいの計画をたてておいて、クライアント様と目線を合わせておくことで、先を見通したブランド構築をスタートできると思っています。

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メンバーの人選次第で、成否は決まる。

——プロジェクトメンバーの人選はとても重要な要素になってきますね。

まさにその通りで、メンバーの人選次第で、ブランディングの成否が掛かっていると言っても過言ではありません。ですからここは、経営者やプロジェクトの担当者交えて、とても「戦略的」に選出します。大前提として、決済者がメンバーである必要が必ずあります。プロジェクトで決まったことを後から覆されてしまっては、何のための時間だったのか、となりますので、決済者が経営者なら経営者ご自身ですし、それ以外にいらっしゃればその方に出席いただくことが大事です。他の構成メンバーに関してはまず、「未来のことをポジティブに話せる人」が条件。自分自身が「ブランドをつくるんだ」という意思、つまりオーナーシップを持てる人、そして社内に伝えていける伝道師になりえる影響力のある人を選出していただきます。こういうプロジェクトをすることによって「俺、呼ばれてないんだけど?」と言ってへそを曲げてしまう人が出たりしないように、ということも配慮します。あまり普段、発言はしないけど、実直に現場で働く「きちんと型」の人などもメンバーには入れておいたほうがいいかもしれません。いずれにしてもブランド構築は会社の重要事。社員の納得のいく人選になっているか、ということを意識してほしいと思っています。

 

第5回「目指す姿に会社を成長させるエンジンが、ブランド構築だ。

第4回「その言葉は、企業の未来を切り拓くか。」

第3回「心の底に想いがあるブランドは、きっとうまくいく。」

第2回「理念を言語化することは、判断軸をつくり、覚悟を決めること」

 

聴き手・構成:BRAND THINKIKNG編集部 撮影:落合陽城

鈴木 祐介

株式会社パラドックス 執行役員
鈴木 祐介

ブランディング・プロデューサー。慶應義塾大学法学部卒業後、広告代理店へ。その後、パラドックスへ移籍。創立期から会社を支えるメンバーのひとり。企業、商品、採用領域のブランドの土台づくりから、最終アウトプットまで一気通貫した、きめ細かいプロデュース、ディレクションを得意とする。グロービス経営大学院大学修了(MBA)。日本BtoB広告賞、福岡コピーライターズクラブ(FCC)新人賞など受賞多数。東京コピーライターズクラブ(TCC)会員。

株式会社パラドックス

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