【TBI JAPANの採用ブランド論 第1回】
飲食、不動産、内装、美容、インバウンドなど多事業展開を進めるTBIグループ。「100社長輩出」「社員全員社長」を掲げる同社は、世界に誇るリーダーの輩出を目指し、常に「人」に投資してきた。内定承諾ゼロという危機的状況から、京大や名古屋大、慶応、早稲田など多くの優秀な学生集まるようになったTBI JAPANにおいて、入社1年目から人事部に配属され、同社の採用を劇的に改善させてきた木村リカルド氏に、TBI JAPANの採用におけるブランディングの重要性について聴いた。
理念を土台に採用を再考した。
——苦戦を強いられていた採用を、どのように変えたのでしょうか。
私が入社する以前は、多くの企業と一緒で、採用にとても苦戦していたと聞いています。新卒採用では、承諾後の内定者研修中に断られることや、内定を出した8名が全員承諾しない、ということもあったそうです。そこからどう立て直していったのか。TBIは、理念をしっかりとつくっていました。経営目的と私たちは呼んでいますが、そこで「会社に関わる全ての人と幸福を分かち合い、信頼関係を大切にする仲間(大家族)を作ること。さらに一人一人が強い絆を持ち、世界に誇れるリーダーになること」。と定めています。つまりどんな個性も活躍できる大家族のような企業体をつくりたい、そしてリーダー(経営者)を輩出していきたい、という強い想いで成長を続けてきました。それは普遍ですし、これからも変わりません。その強い想いを採用でもしっかり伝えていこう。そんな想いから、採用のやり方を大転換させていったのです。
採用を貫く「軸」の必要性。
——当時の採用には、どんな課題があったと思いますか?
まずは辞退率の高さですね。説明会や選考の過程で、学生の意志を固めきれていなかったのだと思います。当時は、面接の選考官によって採用基準もバラバラでした。この人は欲しい、この人は欲しくない。そんな主観的な判断で選考を進めていました。それを見ていて、面接に何人もの人が関わる必要があるのだろうか?と疑問に感じました。評価の基準がバラバラの状態では、採用活動に一貫性が保てないと考えたからです。個人の主観によって採用を進めるのではなく、採用を貫く「軸」をTBIとして持つ必要があると感じていました。
全員辞退からの大逆転。
——具体的にはどのような取り組みをされたのでしょうか。
自分たちの理念を土台にして「社長で、生きろ。」という採用コンセプトをつくりました。TBIは、多くのリーダー(経営者)を輩出するために、グループ会社化を促進し、それまでに20以上の経営者を育てていました。現在、社長経験者は50人以上になっています。TBIにおいて、社長になるまでの平均年数は3年ちょっと。その強い事実を土台に、「社長になる覚悟がある学生」とターゲットを明確化して、ホームページや採用パンフレットを制作し、選考方法もガラッと変えていきました。社長がすでに15人いることを強みにし、初年度は「選べる社長面接」を実施。面接して欲しい社長を応募者が指名できる制度です。社長になる人には決断力や主体性が重要ですから、そんなメッセージも採用フローに込めています。結果、採用状況は大幅に改善し、18名に内定を出して10名が承諾。(2016年度新卒です。内定承諾者は:同志社・立命館・明治・金沢など、辞退したが優秀だったのが上智、立教)。1名はコンサル会社へ行くと行って辞退。大学名で採用するわけではないですが、上智や立教大学など、それまで出会えなかった優秀な学生にたくさん出会い、採用することができました。
(第2回につづく)
補足:2017年度 は14名に内定出し。承諾者10名
京都大、同志社、立命館、名古屋市立大、和歌山大、琉球大、学習院など
内定辞退者:青山学院、中央など
第3回「ターゲットを明確化することで、 本当に伝えるべきことが見えてくる。」
聴き手・文:BRAND THINKIKNG編集部 撮影:落合陽城
株式会社TBI JAPAN インフルエンサー・マーケティング事業部 事業責任者 木村リカルド
2015年TBI JAPAN入社。入社後、人事部に配属。入社1年目からTBI JAPANの採用責任者として、あらゆる採用活動の企画から実施までを担当。当時高かった内定辞退率を下げ、優秀な学生が集まる現在の採用活動の基礎を築いた。
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