媒体はブランドをつくるための一部分。
採用ブランディングという言葉が少しずつですが広まってきているようです。フェイスブック広告で時折見る、「採用ブランディングの決定版!」という某媒体。残念ながら、「ブランディング」の認識を完全に間違っています。同様に、HPでブランディングや映像でブランディングという文字を見ることがあります。これも、ブランディングの認識を間違っていると言わざるを得ません。
ブランディングとは売れ続けるための仕組みづくりであり、つまりファンづくりであると捉えています。なぜなら、ファンをつくれれば、売れ続けるからです。企業である以上、売上や利益を追いかけるのは至上命題で、ブランド構築は、そういう意味で、売上に寄与しなければ意味がありません。
ファンをつくるためには、どの本にも書いてありませんが、アーカーの論を紐解くと、公式化することができます。
B=(b×c)v
B=BRAND BUILDING
b=behavior
c=communication
v=vision
これは、理念・価値観の土台の上に、従業員の行動と人的以外のコミュニケーションでブランド構築が成り立っていることを表現しています。従業員の行動も一致していないと、当然ブランドにはなりません。広告でカッコいいことを言っていても、店頭の販売する人の対応が悪かったり、いい加減なことを言っていたら、ガッカリですよね。
ブランディングに関する大きな誤解は、ツールや媒体だけでイメージが上がる、ないしはそれらのデザイン上の統一が「ブランディング」になるという認識です。ツールや媒体はあくまでファンづくりの「手段」でしかないのです。だから、それだけでブランディングになることもなく、完全に手段と目的が錯綜している典型例です。
冒頭で紹介した「採用ブランディングの決定版!」というキャッチコピーも、その媒体だけでブランディングになる、というミスリードを生みやすいコピーとなります。
ブランディングにおいて、媒体は組み合わせ。そこをブランド・ビジョンで一貫性を保つからこそ、ブランド構築につながります。その媒体「だけ」でブランディングになるという認識は大きな間違いなのです。
文:BRAND THINKING編集部/むすび株式会社 代表取締役 深澤 了
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