社員は自社に誇りをもって働けているか?

採用ブランディングというと、求職者に向けた発信や採用サイト、SNS、求人原稿などを思い浮かべる人が多いかもしれません。もちろん、求職者に会社の魅力を伝える活動は採用において欠かせません。
しかし、採用ブランディングは外向きの見せ方だけで作れるものではありません。 どれだけ魅力的な採用ページを作っても、実際に働いている社員が会社に不満を抱えていたり、会社の考え方に納得していなかったりすれば、その違和感は求職者にも伝わります。
反対に、社員が自社に誇りを持ち、働く意味を感じていれば、その空気は採用発信にも面接にも表れます。 そこで関係してくるのが、ESです。
ESとは、Employee Satisfactionの略で、従業員満足度を意味します。この記事では、ESと採用ブランディングの関係、社員満足が採用力につながる理由、企業が見直すべきポイントを解説します。
社員満足が高い会社は採用でも信頼されやすい
求職者は、企業が発信する言葉をそのまま信じるわけではありません。採用ページや求人原稿に書かれている内容が、実際の職場と合っているのかを見ています。そのときに大きな判断材料になるのが、社員の姿です。
社員が自分の仕事について前向きに話している。会社の考え方を自分の言葉で語れる。職場の雰囲気に無理がない。こうした状態は、求職者に安心感を与えます。特に中小企業では、知名度や条件だけで大手と比較されると不利になる場面があります。その中で求職者に選ばれるには、「ここで働く意味」や「この人たちと働く魅力」を伝える必要があります。
ESが高い会社では、社員の言葉に説得力が出ます。会社に言わされている言葉ではなく、実際に働いている人の納得感が伝わるからです。採用ブランディングにおいて、社員は最も強いメディアの一つです。社員が会社に満足し、自社の価値を理解しているほど、採用で伝わる魅力も強くなります。
ESが低いまま採用するとミスマッチが起きやすい
ESが低い状態で採用活動を強化すると、採用のミスマッチが起きやすくなります。たとえば、会社の中では不満や不信感が広がっているのに、採用発信では明るく前向きな印象だけを出している場合、求職者は入社後にギャップを感じます。
面接では魅力的に見えたのに、実際に働いてみると雰囲気が違う。説明されていた価値観と、現場の判断が合っていない。こうした違和感が続くと、社員は早い段階で離れてしまいます。
採用で大切なのは、応募数を増やすことだけではありません。自社に合う人と出会い、入社後に活躍してもらうことです。そのためには、採用前に伝える会社像と、入社後に体験する会社像を近づける必要があります。
ESが低いままでは、入社後の体験が弱くなり、採用ブランディングで作った期待を裏切ってしまいます。採用の課題は、人事部だけで解決できるものではありません。社員が会社をどう感じているかまで含めて見直すことが、採用ブランディングには求められます。
社員の共感が採用ブランドを強くする

採用ブランディングで大切なのは、求職者に共感してもらうことです。ただし、その前に社員が会社の考え方に共感している必要があります。社員が会社の理念や方針に納得していなければ、求職者に向けて魅力を伝えることは難しくなります。会社が掲げる言葉と、社員の実感がズレている状態では、採用メッセージも表面的になります。
反対に、社員が会社の考え方に共感していると、その価値は自然に外へ伝わります。顧客への向き合い方、仕事の進め方、面接での言葉、SNSでの発信、社員インタビューの内容などに、会社らしさが表れます。求職者はその姿を見て、「この会社は言っていることと働いている人の雰囲気が合っている」と感じます。この状態ができると、採用は条件比較だけではなくなります。
求職者は、会社の価値観や働く人に共鳴し、「ここで働きたい」と感じやすくなります。ESは、社員の満足だけでなく、採用ブランドの説得力にも関わります。
この考え方について、共鳴経済という言葉で説明されている記事もありますので、そちらも参考にしてください。
採用ブランディングの前にESを確認
採用ブランディングを進める前に、まず確認したいのは社員が会社をどう感じているかです。
社員は自社の理念を理解しているのか。仕事に意味を感じているのか。会社の方針に納得しているのか。働く環境に不満はないか。自分の会社を誰かにすすめたいと思えるか。こうした点を確認すると、採用発信で伝えるべきことや、先に改善すべきことが見えてきます。
もし社員の満足度が低い場合は、採用発信を強める前に、社内の状態を整える必要があります。働く人の不満が解消されていない状態で人を増やしても、同じ課題が繰り返されるからです。
採用ブランディングは、外から人を呼び込む活動であると同時に、内側の状態を見直す活動でもあります。社員が会社に納得し、自分の仕事に意味を感じている状態があるからこそ、求職者に伝える言葉にも力が出ます。
外側ではなく、まず内側から整える
採用ブランディングは、求職者に向けた外向きの発信だけでは成立しません。社員が会社に不満を抱えていたり、会社の考え方に共感していなかったりすれば、その違和感は求職者にも伝わります。
反対に、社員が自社に誇りを持ち、働く意味を感じていれば、その姿は採用における大きな魅力になります。社員の言葉や表情、面接での雰囲気、社内の空気感は、採用ブランドを支える重要な要素です。
ESを高めることは、社員のためだけではありません。自社に合う人から選ばれ、入社後も定着しやすい採用を作るためにも欠かせません。採用ブランディングを強化したい企業ほど、まずは社員が自社をどう感じているのかを見直す必要があります。














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