ブランディングと採用は別物ではない。

採用がうまくいかない原因を、応募数の少なさや求職者側の問題に置いてしまう企業は少なくありません。しかし実際には、ブランディングと採用の方向がズレていることで、ミスマッチを自ら生み出しているケースが多くあります。
発信している会社像と、現場で求めている人材像が一致していない。この状態では、応募が集まっても、入社後に違和感が生まれ、定着や活躍につながりません。
ブランディングは本来、採用を楽にするための仕組みです。それにもかかわらず、採用が苦しくなる企業ほど、ブランディングと採用を別物として扱っています。
ブランディングが採用に活かされていない企業の特徴
ブランディングに力を入れている企業ほど、実は採用と切り離されているケースがあります。ホームページやSNSでは、理想的で整ったメッセージを発信している一方、採用現場では即戦力や条件面ばかりを重視している状態です。
たとえば、外向けには挑戦や成長を強調しているのに、実際の現場では変化を嫌う文化が強い場合、入社後のギャップは避けられません。ブランディングが広告的に作られ、採用で必要な情報として機能していないと、共感ではなく誤解を集めてしまいます。
採用だけを最適化するとミスマッチは増える
採用活動を効率化しようとすると、条件やスキル要件を中心に設計しがちです。しかし条件で集めた人材は、条件で比較し、条件で離れます。この状態では、応募数が増えても定着率は下がり、結果として採用コストだけが膨らみます。
ブランディングと切り離された採用は、入口の数字は改善しても、出口の成果が伴いません。採用は選考で終わる仕事ではなく、活躍までを含めた設計で考える必要があります。
ミスマッチの多くは、企業が伝えたい理想像と、現場が本当に必要としている人物像の不一致から生まれます。経営側は理念やビジョンを語り、採用担当は無難な表現で求人を作り、現場は目の前の人手不足を解消したい。この三者が同じ方向を向いていない状態です。
結果として、どんな人が活躍するのかが曖昧になり、誰に向けた採用なのか分からない発信になります。これでは共感で集まるのではなく、たまたま条件が合った人が集まるだけになります。
ブランディングは集めるためではなく、選ばれるためにある
ブランディングを採用に活かすうえで重要なのは、母集団を増やすことではありません。自社に合わない人を減らし、合う人だけが自然と集まる状態をつくることです。
そのためには、良い面だけを並べるのではなく、価値観や仕事の進め方、合う人と合わない人の線引きを明確にする必要があります。結果として応募数が減ることもありますが、ミスマッチは確実に減ります。
採用に効くブランディングは、見せ方ではなく中身から始まります。
まず、自社で活躍している人の共通点を言語化することが重要です。スキルや経歴ではなく、価値観や判断基準、仕事への向き合い方を整理します。次に、その人たちがなぜこの会社で働き続けているのかを掘り下げます。待遇だけではなく、やりがいや納得感、仕事の意味が言葉になっているかがポイントです。それを採用の発信、面接、オンボーディングまで一貫して伝えることで、ブランディングと採用が噛み合い始めます。
ミスマッチが減ると採用は自然に楽になる
ブランディングと採用が一致すると、採用活動は劇的に変わります。応募段階で相性の確認が進むため、面接は見極めではなく対話に変わります。入社後のギャップが減り、定着率が上がり、現場の疲弊も減ります。
採用がうまくいっている企業は、特別な手法を使っているわけではありません。自分たちがどんな会社で、どんな人と働きたいのかを正確に伝えているだけです。ブランディングと採用がつながったとき、採用は無理に頑張るものではなく、選ばれる仕組みに変わります。














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